【5】DHTとは?薄毛を引き起こすホルモンの仕組みを解説

【5】DHTとは?薄毛を引き起こすホルモンの仕組みを解説

薄毛や脱毛に悩む人の間で「DHT(ジヒドロテストステロン)」という言葉を耳にすることが増えてきました。このホルモンは、男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FAGA)の主要な原因として知られています。
本記事では、DHTとは何か、その生成メカニズムや髪に与える影響、そして対策について詳しく解説します。

DHTとは?

DHTは「ジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone)」の略で、テストステロンから変換される男性ホルモンの一種です。このホルモンは体内で多くの役割を果たしていますが、髪の毛に関しては負の影響を与えることで知られています。

DHTの生成メカニズム

DHTは以下の過程で生成されます:

テストステロンの分泌

  • 男性ホルモンの一種であるテストステロンは、主に精巣や副腎から分泌されます。

5αリダクターゼの作用

  • 体内の特定の酵素「5αリダクターゼ」がテストステロンと結びつき、DHTを生成します。

DHTの全身への影響

  • 生成されたDHTは血流を通じて体内を巡り、特定の組織や細胞に作用します。

DHTが薄毛を引き起こす仕組み

DHTは、髪の毛が生えるサイクル(ヘアサイクル)に悪影響を及ぼします。

毛包への影響

毛包は髪の毛を生成する器官ですが、DHTが毛包に作用すると以下の影響が生じます:

毛包の縮小

  • DHTが毛包に結合すると、毛包が次第に縮小します。この状態を「ミニチュア化」と呼びます。

成長期の短縮

  • 髪の毛が成長する期間(成長期)が短縮し、髪が十分に太く長く成長できなくなります。

休止期の延長

  • 髪の成長が止まり、休止期が延長されるため、新しい髪が生えにくくなります。

AGA(男性型脱毛症)の発症

AGAでは、DHTの影響が前頭部や頭頂部の毛包に集中します。このため、これらの部分で薄毛が進行します。

FAGA(女性型脱毛症)の発症

女性の場合、DHTの影響は男性ほど強くありませんが、更年期などでホルモンバランスが変化すると、FAGAが進行することがあります。

DHTを抑制する方法

DHTを抑制することは、薄毛対策の重要なポイントです。以下の方法が効果的とされています。

1. 医薬品の使用

フィナステリド

  • 5αリダクターゼの働きを抑える内服薬。
  • AGA治療で広く使われており、DHTの生成を効果的に抑制します。

デュタステリド

  • フィナステリドよりも強力に5αリダクターゼを抑制。
  • 2種類の5αリダクターゼ(I型とII型)に作用するため、効果が高いとされています。

2. 育毛剤の使用

ミノキシジル

  • DHTそのものを抑制するわけではありませんが、血行を促進し、毛包の活性化を助けます。

天然成分

  • ノコギリヤシやカフェインなど、DHT抑制作用があるとされる成分を含む製品。

3. 生活習慣の改善

栄養バランスの取れた食事

  • ビタミンB群、亜鉛、鉄分などの栄養素がDHTの影響を軽減。

ストレス管理

  • ストレスがホルモンバランスを乱し、DHTの生成を促進する可能性があります。

適度な運動

  • 血行を良くし、毛包への栄養供給を助けます。

最新のDHT研究とトピックス

1. 次世代のDHT抑制薬

  • 現在、より副作用が少なく効果的なDHT抑制薬の研究が進められています。

2. 遺伝子治療の可能性

  • 薄毛の遺伝子を直接ターゲットにする新しい治療法が期待されています。

3. 自然療法の進化

  • ハーブや植物由来の成分を用いた安全なDHT抑制法が注目を集めています。

まとめ

DHTは薄毛の主な原因として、多くの研究でその役割が確認されています。正しい知識を持ち、適切な治療法や生活習慣の改善を行うことで、DHTの影響を最小限に抑えることが可能です。薄毛に悩む方は、医師や専門家のアドバイスを受けながら、自分に合った対策を選びましょう。

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