【用語】DHTとは?薄毛の原因となるホルモンの正体を解説

【用語】DHTとは?薄毛の原因となるホルモンの正体を解説

1. DHT(ジヒドロテストステロン)とは?

DHT(Dihydrotestosterone、ジヒドロテストステロン)は、男性ホルモンであるテストステロンから変換されて生成される物質です。主に、5αリダクターゼという酵素の働きによって作られます。

DHTは、以下のような役割を持っています:

  • 胎児期の男性器の発達に関与
  • 体毛の成長促進
  • 皮脂の分泌を増加

しかし、DHTが過剰に生成されると、男性特有の**AGA(男性型脱毛症)**や体臭の原因になるとされています。

2. DHTと薄毛の関係

DHTは、毛根(毛包)にあるアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)と結合し、髪の成長サイクルを乱します。この影響で、髪が成長期に十分成長できず、軟毛化(細く短い髪になる)や脱毛を引き起こします。

DHTによる薄毛のメカニズム:

  1. テストステロンが5αリダクターゼによりDHTに変換される
  2. DHTが毛根に作用し、毛乳頭細胞を攻撃。
  3. 髪の成長を阻害し、毛周期(ヘアサイクル)が短縮。
  4. 徐々に毛が細く短くなり、最終的には生えなくなる。

特に、前頭部から頭頂部の毛根がDHTの影響を受けやすく、これがAGAの特徴的な薄毛の進行パターンを生み出します。

3. DHTを抑制する方法

DHTの生成を抑制することで、AGAや薄毛の進行を遅らせることが可能です。以下は主なDHT抑制方法です。

(1) 薬物療法

  • フィナステリド
    • 5αリダクターゼ(2型)の働きを抑制。
    • 毛根でのDHT生成を減少させ、薄毛の進行を抑える。
  • デュタステリド
    • 5αリダクターゼの1型と2型両方を抑制。
    • フィナステリドより広範囲に作用。

(2) 生活習慣の改善

  • 適度な運動
    筋トレなどの運動は、テストステロンの生成を促しつつDHTの影響を抑える。
  • バランスの取れた食事
    特に亜鉛、ビタミンB群、タンパク質を積極的に摂取。
  • 十分な睡眠
    ホルモンバランスを整えるため、質の良い睡眠が重要。

(3) 育毛剤の使用

  • ミノキシジル
    • 毛細血管を拡張し、毛根への栄養供給を促進。
    • DHTの抑制効果はないが、発毛促進作用が期待できる。

4. 5αリダクターゼの種類

5αリダクターゼには1型2型の2種類があり、DHT生成において異なる部位で作用します:

  • 1型:頭皮全体や皮脂腺に分布。
  • 2型:主に前頭部と頭頂部に分布し、AGAの主要因となる。

デュタステリドは両方に作用しますが、フィナステリドは2型にのみ作用します。

5. DHTの影響を受けにくい髪とは?

DHTの影響を受けにくい髪は、後頭部や側頭部の髪です。この特徴を利用し、後頭部の髪を移植する自毛植毛が薄毛治療の選択肢の1つとなっています。

6. DHTの抑制はAGA治療の第一歩

AGAの治療では、DHTの抑制が非常に重要です。早期の対策が進行を防ぐ鍵となります。

DHT抑制を始めるべきサイン:

  • 髪のボリュームが減ったと感じる。
  • 髪が細くなり、抜け毛が増えた。
  • 前頭部や頭頂部の地肌が目立つようになった。

7. 最後に:自分に合った治療を選ぼう

DHTは薄毛の主要因ですが、適切な治療や対策で進行を食い止めることが可能です。医師に相談し、自分に合った方法で薄毛治療を始めましょう。

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