
AGA(男性型脱毛症)は、多くの男性が抱える薄毛の主要な原因として知られています。本記事では、AGAの特徴、原因、進行パターン、そして正確な診断方法について詳しく解説します。AGAについての正しい知識を持つことで、適切な対策や治療を選ぶことができます。
AGAとは?
AGA(Androgenetic Alopecia)は、主に男性ホルモンの影響で発症する脱毛症です。男性型脱毛症と呼ばれることもありますが、実際には女性にも発症するケースがあり、これをFAGA(女性型脱毛症)と呼びます。

AGAの特徴
進行性の脱毛症
AGAは進行性の脱毛症であり、時間の経過とともに症状が悪化します。
頭頂部や生え際に集中
脱毛は主に前頭部(M字型)や頭頂部に集中し、側頭部や後頭部の髪は通常残ります。
ホルモンと遺伝の影響
DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンが主な原因とされ、遺伝的な要因も強く関与しています。
AGAの原因
AGAの主な原因は、以下の3つです。

1. DHTの作用
DHT(ジヒドロテストステロン)は、5αリダクターゼという酵素がテストステロンを変換することで生成されます。このDHTが毛包に作用し、毛包を縮小させることで髪が細く短くなり、最終的に脱毛が進行します。
2. 遺伝的要因
AGAは遺伝的要素が強く、家族にAGAの人がいる場合、そのリスクが高まります。特に母親からの遺伝が影響を及ぼすとされています。
3. 加齢
年齢を重ねることでホルモンバランスが変化し、AGAの症状が進行しやすくなります。
AGAの進行パターン
AGAの進行には、一般的なパターンがあります。この進行パターンは「ノーウッド・ハミルトン分類」として知られています。

ノーウッド・ハミルトン分類の主なパターン
M字型脱毛
前頭部の生え際が後退するパターン。
O字型脱毛
頭頂部の髪が薄くなるパターン。
U字型脱毛
M字型とO字型が合わさり、頭頂部全体が薄くなるパターン。
AGAの診断方法
AGAを正確に診断するためには、以下の方法が用いられます。
1. 問診
- 家族歴や生活習慣、ストレスの有無などを確認。
- 抜け毛がいつから始まったか、進行状況をチェック。
2. 視診
- 頭皮や脱毛の進行パターンを観察。
- 脱毛がノーウッド・ハミルトン分類に該当するか確認。
3. 毛髪チェック
- 毛髪ミニチュア化の確認
- 太さや長さが異なる毛髪が混在しているかを確認。
4. 頭皮スコープ検査
- 拡大鏡で毛穴の状態や毛髪の密度を確認。
- 毛包の健康状態をチェック。
5. 血液検査
- ホルモンバランスや栄養状態を調べるために実施。
- 他の脱毛症(円形脱毛症や甲状腺疾患など)との鑑別を行う。

AGAと他の脱毛症の違い
AGAは他の脱毛症と異なり、進行パターンや原因が特定されています。以下に、主な違いを示します:
脱毛症の種類 | 主な原因 | 特徴 |
---|---|---|
AGA | DHT、遺伝、加齢 | 前頭部や頭頂部の進行性の脱毛 |
円形脱毛症 | 自己免疫疾患 | 突然の円形状の脱毛 |
脂漏性脱毛症 | 頭皮の皮脂分泌過剰 | 頭皮の炎症やフケが伴う脱毛 |
休止期脱毛症 | ストレス、病気、栄養不足 | 一時的な脱毛で、自然に回復することが多い |
AGAを疑った場合の対策
AGAと診断された場合、早期に適切な対策を講じることが重要です。
1. 医薬品治療
フィナステリド
- DHTの生成を抑制する内服薬。
デュタステリド
- フィナステリドよりも強力なDHT抑制効果を持つ薬剤。
ミノキシジル
- 血行促進作用を持つ外用薬。毛包の活性化を助けます。
2. 生活習慣の改善
- 栄養バランスの取れた食事(ビタミンB群、亜鉛、鉄分)を心掛ける。
- 睡眠の質を向上させ、ストレスを軽減する。
3. 専門機関での治療
- 発毛サロンやAGAクリニックでの相談。
- PRP治療や低出力レーザー治療などの新しい治療法を検討。
まとめ
AGAは進行性の脱毛症ですが、正確な診断と適切な治療によって進行を遅らせたり、改善することが可能です。薄毛に気づいたら早めに専門医やクリニックを受診し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。正しい知識を持って、薄毛対策に取り組みましょう。